大きく法改正!パートの同一労働・同一賃金

埼玉県新座市の助成金に強い「福田社会保険労務士事務所」代表の福田です!
新座市、朝霞市、志木市、和光市の中小企業様の顧問先企業様を中心に、労務相談や給与計算、経営相談まで幅広くサポートさせていただいております。
本日のテーマは、「大きく法改正!パートの同一労働・同一賃金 」についてです。
昨今の裁判やトラブルからこのたび法改正されることになりました。
事務的な対応必須項目がある改正なのでおはやめのご準備を!
【すぐ確認】労働条件通知書の変更、手当についてガイドラインの確認。
【順次確認】就業規則で定めている正社員転換推進措置の規定や就業規則教育訓練についての項目を変更する
1.同一労働・同一賃金とは?
2.法改正内容
3.改正に至った問題点と事件
4.事前の事務的な対応
5.法改正を受けて活用できる助成金
【助成金】正社員として雇用する
1.同一労働・同一賃金とは?
「同一労働同一賃金」とは、同じ仕事(職務内容や責任の程度)をしている労働者に対しては、雇用形態(正社員、パート、アルバイト、派遣社員など)に関わらず、同じ額の賃金を支払うべきであるという考え方です。
日本では2020年4月(中小企業は2021年4月)から関連法案が施行され、大企業・中小企業問わず全面的に義務化されています。
2.法改正内容
①労働者は待遇の違いについて説明を求めることができるようになる
労働条件明示事項として、現行の明示事項に加え、新たに「待遇の相違の内容・理由等に関する説明を求めることができる」旨の明示が必要となります。
②「同一労働 同一賃金ガイドライン」 内容の追加
通常の労働者と有期やパートタイム労働者に対する待遇について、どのような待遇差が不合理と認められるか等、考え方や具体例を示している「同一労働同一賃金ガイドライン」。
こちらに報酬や手当についての内容が追加されました。
③雇用管理の改善等に関する措置の内容が変更される
希望に応じた教育訓練やキャリア形成支援、成果や能力の公正な評価を行い、賃金等の待遇改善を図る目的の対応が求められます。
3.改正に至った問題点と事件
待遇差の合理性に関する重要判例として、下記の事件などが見直しに大きく関わることになりました。

2018年 ハマキョウレックス事件
最高裁判所は、労働契約法20条では「『有期契約という理由だけで、不公平な格差をつけることを禁止している」ため、不合理な差をつけることはあってはならないと判断。
法20条は、正社員と契約社員の間で仕事や転勤の有無に違いがあることは認めつつも、その違いに応じた「バランスの取れた給料(待遇)」にすることを求めている内容。
今回の裁判では、正社員にだけ支給されていた「皆勤手当」「無事故手当」「作業手当」「給食手当」「通勤手当」の5つについて、契約社員に支給しないのはどれも「不当な格差(違法)」であると認めた事件。
2020年 メトロコマース事件
最高裁判所は、駅売店の契約社員が正社員との「退職金」の格差を労働契約法20条違反とした訴えを退けた。
退職金の目的を「正社員の確保や定着」等とした上で、職務内容や責任の程度、配置変更の有無などを比較。
格差が不合理とは言えないと判断。
ただし、長年勤務した契約社員に退職金を全く支給しないことには改善の余地があると言及しつつも、今回のケースでは本法の「不合理な格差」に当たらないと結論づけた。
4.事前の事務的な対応
労働条件通知書の変更
パートタイム・有期雇用労働者に対する労働条件通知書に 「待遇の相違の内容・理由等に関する 説明を求めることができる旨」 を追記する必要があります。

ガイドラインに沿った労働条件に改訂
下記の項目を判断基準にして正社員との間に不当な差が生じていないか確認・変更する必要があります。
| 変更点 | |
| 無事故手当 | 正社員と業務の内容が同一ならば、支給が必要 |
| 家族手当 | 労働契約の更新を繰り返している等、継続的な勤務が見込まれているならば、支給が必要 |
| 住宅手当 | 住宅手当が転居を伴う配置の変更の有無に応じて支給することが目的ならば、支給が必要 |
| 福利厚生施設 | 不合理と認められる待遇差を設けてはいけない |
| 病気休暇 | 労働契約の更新を繰り返している等、継続的な勤務が見込まれているならば、支給が必要 |
| 褒賞 | 褒賞が「一定の期間勤続した労働者に付与するもの」である場合、正社員と同一の期間勤続した場合、支給が必要 |
| 賞与/退職手当 | 「労務の対価の後払い・功労報償等の目的」に該当するにもかかわらず、均衡のとれた内容を支給しない場合、不合理と認められる可能性がある |
スタッフ奥田駐車場の利用とか
正社員と同じように
使ってもらいましょう!
教育訓練など機会を与えられる規定に変更する
職業能力開発法は、事業主に対し、雇用する労働者に必要な職業訓練を行うとともに、労働者が自ら教育訓練等を受ける機会を確保するために必要な援助等を行うよう努めなければならないと定めています。
正社員転換推進措置の規定を見直す
面談等で意向を確認したり、社員等への転換のための制度を設けるとともに複数の措置を講ずることが望ましいです。
その他詳しい点については厚生労働省の資料をご覧ください。
厚生労働省の同一労働同一賃金特集ページはこちら

4.法改正を受けて活用できる助成金
【助成金】正社員として雇用する
キャリアアップ助成金 正社員化コース
パートや契約社員を、正社員にステップアップさせた会社に国からお金が出る制度です。
中小企業にとって最もポピュラーで、かつ支給額も大きいため特におすすめの助成金の一つです。
令和8年4月から正規雇用労働者への転換等に係る所定の情報を公開すると追加で20万円助成を受けられるようになりました。
大企業と中小企業では支給額が異なります。
下記の表は中小企業に限ります。
大企業の場合の支給額は資料をご覧ください。
| 支給要件 | ・キャリアアップ計画を作成し、管轄労働局長に提出した事業主 ・正社員転換後6か月間の賃金を、正社員転換前6か月間の賃金より3%以上増額させていること |
| 助成対象 | ・有期雇用労働者から正規雇用労働者への転換 ・上記の転換をした人であり、重点支援対象者※ ※雇い入れから3年経過している人・派遣労働者、母子家庭の母等事情がある人…など |
| 助成金額 (かっこ内は 重点支援対象者の場合) | ・有期→正規:40万円 (※80万円) ・無期→正規:20万円 (※40万円) 初めて制度を導入して実施した場合には、以下の金額が加算されます。 通常の正社員への転換規定を新たに設けた場合: +20万円 多様な正社員(勤務地限定等)制度を新たに設けた場合: +40万円 |

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