令和8年7月改正!企業の障害者雇用が従業員37.5人から対象になります!

埼玉県新座市の助成金に強い「福田社会保険労務士事務所」代表の福田です!
新座市、朝霞市、志木市、和光市の中小企業様の顧問先企業様を中心に、労務相談や給与計算、経営相談まで幅広くサポートさせていただいております。
本日のテーマは、「障害者の法定雇用率引上げ」についてです。
まだ人数が少ないから関係ないと思っている企業の方はご注意ください。
2024年から障害者の法定雇用率が段階的に引き上げられており、2026年7月に対象になる可能性があります。
今回は法改正のポイントを社労士目線で解説いたします。
1.2026年7月には「総従業員数37.5人」から雇用義務
障害者雇用促進法43条第1項により従業員が一定数以上の規模の事業主は、従業員に占める身体障害者・知的障害者・精神障害者の割合を「法定雇用率」以上にする義務があります。
1-1.法定雇用率の計算方法
法定雇用率は民間企業、特殊法人、国及び地方公共団体、都道府県等の教育委員会とそれぞれ異なった割合が定められています。
今回は民間企業の方向けに解説いたします。

障害者雇用人数は、従業員数に上記の法定雇用率を掛けて算出した数値となります。
※小数点以下は切り捨て
1-2.従業員数の数え方
障害者雇用の対象となる「常用雇用労働者数」を計算する際は、まず従業員を「働く時間」で区別して計算します。
・週の所定労働時間が30時間以上のフルタイムに近い方
→「1人」としてカウント
・週20時間以上30時間未満で働くパート・アルバイトの方々(短時間労働者)
→「1人あたり0.5人」としてカウント
「うちはパートが多いから40人を超えていても大丈夫」と油断していると、この「0.5人換算」を足した結果、法定雇用率の義務対象に入ってしまうケースがあるため注意が必要です。
1-3.障害者人数の数え方
「障害者側(雇い入れられる側)」の人数計算においても、企業側のカウントと同様に「労働時間」が基準となります。
・週の所定労働時間が30時間以上のフルタイムに近い方
→「1人」としてカウント
・週20時間以上30時間未満で働くパート・アルバイトの方々(短時間労働者)
→「1人あたり0.5人」としてカウント
ただし障害の程度が重い場合や、特定の障害がある場合は、手厚いカウントの特例が認められています。
■重度障害の特例
身体・知的障害者(週30時間以上): 「1人あたり2人」としてカウント
身体・知的障害者・精神障害者(週20時間以上30時間未満): 「1人」としてカウント
身体・知的障害者(週10時間以上20時間未満):「1人あたり0.5人」としてカウント

2.企業が負うリスクと法令遵守
法定雇用率の未達成が続くと、納付金の支払いだけでなく、行政による雇用状況の公表が行われる場合があります。
これは単なる金銭的なペナルティに留まらず、社会の一員として果たすべき役割が果たせているか、企業の姿勢が問われます。
2-1.行政指導と社名公表
雇用率が著しく低い場合、ハローワークからの指導が入ります。
改善が見られないと厚生労働省のホームページで「社名」が公表されるリスクがあり、採用活動や取引に甚大な影響を及ぼします。

2-2.障害者雇用納付金
法定雇用率を達成できていない企業が支払う「公的な負担金」です。
これは、雇用率を達成している企業との間に生じる「経済的な不公平」を解消するために設けられました。
対象は、常時雇用する労働者数が100人を超える企業で、不足する障害者1人につき月額5万円の納付金が徴収されます。
この納付金は、障害者雇用を積極的に進める企業への「調整金」や「報奨金」、そして作業施設の設置などの助成金として活用されます。

3.適正な就業環境が生むメリット
障害者雇用は単なる「義務」ではありません。
適切な環境整備を行うことは会社全体にプラスの効果をもたらします。
3-1.障害者雇用調整金と報酬金
障害者雇用納付金は法定雇用率を達成できていない企業が支払うものに対して、これは達成できた企業に支払われるものです。
障害者雇用調整金
障害者雇用納付金の申告をしなければならない事業主のうち、法定雇用障害者数を超えて雇用している事業主に支給されます。
基準を超えて雇用した障害者人数×月額29,000円の支給となります。
報酬金
企業規模が100人以下で、障害者雇用が義務ではない事業主が一定数以上の障害者を雇用している場合に支給されます。
基準※を超えて雇用した障害者人数×月額21,000円の支給となります。
※各月の常時雇用している労働者の数の4%の年度間合計数、又は72人のいずれか多い数
詳細は下記の資料からご確認ください。

合理的配慮による好影響
障害を持つ方と働く際、特性に応じた調整(合理的配慮)が法律で義務付けられています。
例えば「指示は口頭だけでなくメモを併用する」「作業手順を画像化する」といった工夫です。
この「伝わりやすいコミュニケーション」は障害者雇用に限らず、若手社員や外国人スタッフへの教育にも良い影響が期待できます。
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4.障害者雇用なら、この助成金
助成金とは、国や自治体の政策に沿った取り組みを行う企業に対し、返済不要で支給される支援金です。
主に厚生労働省が管轄し、雇用維持や教育訓練、働きやすい環境整備など、一定の要件を満たすことで受給できます。
この度の改正を機に活用できる助成金をご紹介します。
【助成金①】職場環境の整備に投資する
障害者作業施設設置等助成金
この助成金は「障害者の方を雇い入れるために、会社をバリアフリー化したり、専用の設備を買ったりする費用を、国(機構)が肩代わりしてくれる制度」です

原則として、かかった費用の3分の2が助成されます。
上限額は対象となる障害者1人につき最大450万円(作業施設の場合)。
新規雇入れの対象障害者(車いす利用)に対し、就労する事業所出入口および就労する事務室内の段差解消をする。
対象障害者の動線上(入口から就労場所、就労場所からトイレ)への措置については助成対象となります。
※床の老朽化による改修や、対象障害者の動線上以外の部分に係る施工の場合は、助成対象となりません
障害特性と申請内容との関連を確認するために医師の診断書等を必要とする場合があったりと、認定には細かい要件があります。
詳細は下記資料をご覧ください。

【助成金②】新たに障害者を雇う
特定求職者雇用開発助成金
障害等の理由により就職が困難な方をハローワーク等の紹介により雇い入れる際に、国から支給される助成金です。
障害の種類や労働時間に応じて異なります。
中小企業が重度障害者や精神障害者をフルタイムで雇い入れた場合は合計240万円、それ以外の障害者の場合は合計120万円が、一定期間にわたり分割して支給されます。
こちらも認定には細かい要件があります。
詳細は下記資料をご覧ください。

助成金についての詳細は過去のこちらの記事をご覧ください。
※ 過去の記事の為、今年度の内容と一部異なる場合がございます。

対策・準備はおはやめに!
まずはこの法改正にともない、雇用の義務が発生するのかの現状把握は必要となります。
現状把握ができたら、スモールステップとして実習の受け入れや、短時間勤務からの採用を検討することも候補の一つにしてみてください。
何から手をつければいいか迷われたら、まずは「自社でどの助成金が使えるか」から検討することもおすすめです。
ぜひ最大限活用し、安定した経営の役に立ててください。
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