失業保険っていつからもらえるの??

こんにちは!
埼玉県新座市の助成金に強い「福田社会保険労務士事務所」代表の福田です!
新座市、朝霞市、志木市、和光市の中小企業様の顧問先企業様を中心に、労務相談や給与計算、経営相談まで幅広くサポートさせていただいております。
本日のテーマは、退職後の失業保険についてです。
今の職場を辞めることになった場合、退職後の生活に不安が出てきてしまいますよね。
毎月給料から払っていた雇用保険には、失業保険も含まれているし、いざというときに頼りにしたいところです。
2025年4月に雇用保険法改正があった内容を含めて解説していきます。
失業保険について
雇用保険に加入していた場合において、失業した際に受給することができるものを、一般的には「失業保険」と呼ばれているかと思います。
実は、正確には「失業等給付」という名称があり、その中でもかなり細かく分類がされています。

上記の表において、赤字の「基本手当」という部分が、一般的に使われている「失業保険」と呼ばれている給付です。
ここでは分かりやすく「失業保険」という言葉を用いて説明していきます。
失業保険は失業者の生活を守るためのもの
「会社を辞めた後、生活費はどうなるんだろう…」
退職後の金銭面の不安が一番大きいですよね。
退職金をもらったとしても、今まで通り定期的に給料が振り込まれるわけではありません。
手早く就職できそうな職場を選んでしまった結果、不本意な仕事内容や場所になる可能性もあります。
国はそんな失業者に対して経済的な不安を軽減する事、次の職場で長く活躍してもらうことを目的に支援しています。
退職理由によって異なる 手当の額と期間
失業保険を受け取れるまでの期間
今回のテーマ、退職後とひとくくりにしていますが、様々な退職理由があると思います。
退職理由によって、
「給付制限期間(支給を受けられるまで待っていなければならない期間)」
「給付日数(失業保険がもらえる期間)」が異なります。
会社都合退職
給付制限期間なし
・会社が倒産したり、事業所が閉鎖したりした場合
・懲戒解雇など、労働者自身の重大な責任によるものを除く、企業からの解雇
正当な理由のある自己都合による離職(辞めざるを得ないことが起きた時)
給付制限期間なし
・自宅から勤務先までの通勤時間が大幅に増加し、通勤が困難になった場合(例:片道2時間以上)
・病気や怪我により、すぐに働くことが困難になった場合
・配偶者の転勤に伴い、自分も引っ越したため通勤が困難になった場合
・結婚や出産などに伴い退職することが慣行になっていて、環境的に退職せざるを得ないとき
自己都合退職
給付制限期間1カ月
・独立を目指して退職する場合
・今の会社が合わないと感じて退職する場合
自分の重大なミスによる解雇(重責解雇)
給付制限期間3カ月
・会社の金銭の横領や着服をして懲戒解雇
・長期間にわたる無断欠勤
・機密情報や顧客リストの不正な持ち出しや漏洩
スタッフ奥田パワハラやいじめなどの
被害が原因なら会社都合
として処理可能です。
確実な証拠が必要となります。
会社都合退職・正当な理由のある自己都合による離職かどうかの判断については、ハローワークが行います。
離職理由の判定は、事業主が主張する離職理由と、離職者が主張する離職理由を把握し、それぞれの主張を確認できる資料による事実確認を行った上で、最終的にハローワークにて慎重に行います。
法改正により短縮された 給付制限期間
上記で説明したとおり、退職理由によって失業保険の給付を受けとれるまでの期間(給付制限期間)が異なっています。
2025年4月の改正では自己都合退職した場合の給付制限期間が2カ月から1カ月に変更となりました。
スタッフ奥田実はその前までは
給付制限期間が
3カ月もありました!
この給付制限期間があるのは「自己都合退職なら転職先なども検討したうえでの計画的な退職だろうから」という理由がありました。
ただし、この2カ月という期間が長すぎることで、キャリアアップに響くという指摘があり現在の形に至りました。
キャリアアップのための勉強で 給付制限を免除させる
法改正で変更になった点は給付制限期間だけではありません。
教育訓練を受けている人、もしくは受けた人は給付制限期間が免除になる可能性があります!
※自分の重大なミスによる解雇(重責解雇)は対象外
教育訓練とは、働く人がキャリアアップや再就職のために、厚生労働大臣が指定する専門的な講座を受講した場合に、受講費用の一部が国から支給される制度です。
教育訓練等を離職日前1年以内に受けた方、もしくは 離職日以後に受けている方が該当します。
教育訓練講座はたくさんある!
対象となる教育訓練は、厚生労働大臣の指定を受けた教育訓練講座を実施する訓練機関や、大学・大学院などが実施する教育訓練があります。
または語学学習のための海外留学などが該当します。

厚生労働省では、指定講座の受講希望者がインターネットを活用して本人の希望に応じた教育訓練給付金の指定講座及び教育訓練施設を選択できるよう情報を提供しております。
具体的な講座検索はこちら。

スタッフ奥田土日だけの通学や
通信もあるんですね!
私も使えばよかった~
失業保険を受け取れる日数
「何か月間、失業保険を頼りに求職活動できるのかな…」
給付を受けられる期間もその人それそれの退職理由と、雇用保険に加入していた期間によって細かく決められています。
会社都合(特定受給資格者)、正当な理由のある自己都合による離職者
・会社が倒産したり、事業所が閉鎖したりした場合
・懲戒解雇など、労働者自身の重大な責任によるものを除く、企業からの解雇。
・自宅から勤務先までの通勤時間が大幅に増加し、通勤が困難になった場合(例:片道2時間以上)
・病気や怪我により、すぐに働くことが困難になった場合。
・配偶者の転勤に伴い、自分も引っ越し、通勤が困難になった場合。
・結婚や出産などに伴い退職することが慣行になっていて、環境的に退職せざるを得ないとき

自己都合退職等
・独立を目指して退職する場合
・今の会社が合わないと感じて退職する場合

スタッフ奥田えーっと私は8年目で
自己都合退職したから
90日ってことですね!
受け取れる金額
失業している日に受け取れる1日当たりの金額をもとに計算します。
原則として、離職の日以前の6か月に毎月決まって支払われた賃金の合計を 180 で割って算出した金額のおよそ5~8割で、賃金の低い方ほど高い給付率となっています。
およその計算式
(離職以前6か月の賃金の合計÷180)×(50~80%)※ =【基本手当日額】
※ 60~64 歳の方については 45~80%
失業保険を受け取る流れ
- 離職票をもらう
- ハローワークで申込・離職票の提出
- 7日間の待機期間
- 給付制限期間(ない場合この期間は省略)
- 受給者説明会への出席
- 1回目の失業認定のためにハローワークへ行く
- 2回目の失業認定のためにハローワークへ行く
- 失業保険が振り込まれる
「③7日間の待機期間」はどんな理由の失業者でも共通して行われます。
上記で説明した給付制限期間は④の期間のことです。
給付制限期間が1カ月なら「③待機期間」が終了してから「⑦2回目の失業認定」まで1カ月期間を開けなければなりません。
それから「⑦2回目の失業認定のためにハローワークへ行く」が終了した数日以内に、失業保険が指定口座に振り込まれます。
より詳細な内容は厚生労働省の資料をご覧ください。

「① 離職票をもらう」では従来郵送のみでしたが、マイナポータルでももらえるようになりました!
郵送の遅延によるトラブルを避けられるので、こちらもご覧ください。

退職後の流れを知ることでトラブル防止を
自己都合退職後の生活に不安はつきものですが、手続きを先延ばしにするのが一番の損です。
失業給付は次の仕事へ向かうための重要な制度です。
特に、給付制限期間はスキルアップのための「準備期間」だと前向きに捉えましょう。
教育訓練給付制度を活用すれば、自己負担を減らして新しい資格やスキルを身につけられます。
当事者だけでなく労務に関わる人もトラブル防止のためにも深く理解しておくことをお勧めします。
社労士 福田労務に関するご相談が
ございましたら、お気軽に
お問い合わせくださいね!



