月給制と日給月給制の違いを正しく理解していますか??

こんにちは!
埼玉県新座市の助成金に強い「福田社会保険労務士事務所」代表の福田です!
新座市、朝霞市、志木市、和光市の中小企業様の顧問先企業様を中心に、労務相談や給与計算、経営相談まで幅広くサポートさせていただいております。
本日のテーマは、正しく理解していないと支払う給与に大きく影響する「月給制」に関するお話です。
建設会社 H社長月給ってのはひと月いくらって
給料で、細かい違いなんて
あるんかい?
社労士 福田ええ、一括りに月給制と
言っても、種類があるんです。
雇用する際に、どのような
契約かによってきます。
従業員を雇用をする際、雇用契約書に「月給制とする」と記載されるケースは多いかと思います。ですが、その「月給制」というのは、本当にお考えと一致しているのでしょうか?
実は「月給制」の他に「日給月給制」というものがあるのをご存じでしょうか?
結論、日給月給制は「固定の月額給与から欠勤分を差し引く」仕組みで、月給制は「欠勤しても給与が減らない」仕組みです。つまり、日給月給制は実際の勤務日数に応じて月給が変動しやすく、勤怠管理のルールが重要になります。一方、月給制は毎月の給与が一定なので、従業員も企業も収支が予測しやすいという特徴があります。
本コラムでは、より詳しく月給制、日給月給制やその他の給与形態について。メリット・デメリットを詳しく解説していきます!
日給月給制とは?
「日給月給制」という言葉自体は法的な定義がありませんが、一般には月額給与を固定しておき、欠勤・遅刻・早退などの不就労分をその月額から減じる制度を指します。
例えば、月給20万円+手当4万円の従業員が2日欠勤した場合、月給総額(24万円)を所定労働日数で割り、2日分を減額します。つまり、「働いた日数」ではなく「休んだ日数」で給与が増減する仕組みです。
つまり遅刻や欠勤があった場合、減額の対象となるのは基本給だけではありません。役職手当や資格手当など、月ごとに支払われる手当も減額されます。一方、時間外労働や深夜労働については、通常の賃金とは別に割増賃金を支払わなければなりません。
多くの企業が採用している月給制は、この「日給月給制」に当たるものが多いかと思います。
給与形態には、日給制や完全月給制、時給制、年俸制などさまざまな形式があります。その中で日給月給制は「日給制のように1日単位で計算するが、毎月1回まとめて払う」というイメージです。
日給月給制とこれらの給与形態の違いについて整理していきましょう。
日給制との違い
「日給制」とは、「1日の給与×出勤日数」で給与が決まる制度です。働いた日数分だけ給与が増えるため、月によって給与が大きく変動します。
一方、日給月給制は「あらかじめ決めた月額から欠勤分を差し引く」ため、出勤日数ではなく欠勤日数によって給与が決まります。したがって、欠勤や遅刻がなければ毎月同じ給与が支払われますが、日給制では月内に働く日数が少なければ給与も減ります。
月給制との違い
「月給制」とは、1ヶ月を単位として賃金が完全に固定されている給与形態です。遅刻や早退、欠勤等があっても、定められた一定の給与額を支払わなければなりません。
つまり、日給月給制では欠勤分が給与から差し引かれるのに対し、月給制では欠勤や遅刻があっても月給額は一定です。ただし、実際には企業が月給制にあたる給与体系でも、欠勤分を減額する場合は日給月給制として扱う必要があります。
この部分の違いについて正しく理解されていないケースがあり、安易に「月給制」と明記すると、従業員と思わぬトラブルになることがありますので注意が必要です!
建設会社 H社長月給ってのはひと月いくらって
単なる月給って言葉に
こんな違いがあるなんて、
全然知らなかったよー!!
社労士 福田そのように仰る方が多く
いらっしゃいますよ。
ついでに他の給与形態も
ご案内しますね!
時給制との違い
「時給制」は「実働時間×時給」で給与が決まる制度です。パートやアルバイト等に用いられることが多く、実働した時間分だけ支払うので、働かなければ支払われる給与はゼロになります。
日給月給制は固定の月給をベースに欠勤を減額するのに対し、時給制はそもそも働いていない時間に給与が発生しません。どちらも残業代の割増率は法定通り必要ですが、計算の単位が異なります。
月給日給制との違い
「月給日給制」は、遅刻や早退、欠勤があった場合に、その分を月額から控除するという点は同じですが、日給月給制との違いは、日給月給制が欠勤等の日数で給与が決まるのに対して、月給日給制は月単位で支給される職務手当、役職手当などの手当については日割での控除をせず、固定給だけが控除の対象となる点が異なります。
完全月給制との違い
「完全月給制」は、月給制と同じく1か月の給与が固定され、欠勤・遅刻があっても給与は減額されません。日給月給制との違いはまさにこの点で、日給月給制は欠勤分の控除があるのに対し、完全月給制は控除がなく給与が一定です。
年俸制との違い
年俸制では1年間の給与額をあらかじめ決め、その総額を分割して毎月支給します。年俸制は給与支払いの単位が年単位である点が特徴で、日給月給制のように月々の欠勤分で調整する仕組みではありません。
建設会社 H社長こりゃあ急いで
確認しねぇとだな。。
社労士 福田はい、認識との相違がないか
早急に確認させれることを
オススメします!
ちなみに、ハローワークの求人票では、以下のように定義されています。
- 月給制は、1ヶ月単位で算定される定額で支給されるものです。
- 日給月給制は、1ヶ月の定額ですが、年休以外の欠勤分は差引かれます。
- 日給制は、1日の定額で労働日数分が支給されます。
- 時間給制は、1時間の定額で労働時間分が支給されます。
日給月給制のメリット
日給月給制には、従業員と会社の両方にメリットがあります。
- 給与の安定性
- 残業・休日出勤で増収
- 不公平感が少ない
- 人件費のコントロール
まず、残業や休日出勤をすると時間外手当や休日手当が加算されるため、働いた分だけ給与が増える仕組みです。また、月給が固定されているので祝日や月ごとの勤務日数にかかわらず毎月の収入が一定になり、生活費の計画が立てやすくなります。
出勤状況が給与に反映されるため、休まず働いた人がしっかり満額をもらえる公平感も得られます。企業側としては、欠勤分を減額できるので人件費を見通しやすく抑制しやすい点も大きなメリットです。
給与の安定性
月額給与が固定されているため、欠勤や祝日の多寡にかかわらず毎月安定した収入が得られます。
残業・休日出勤で増収
残業や休日出勤をすれば時間外手当・休日手当が加算され、働いた分だけ給与が増えます。
不公平感が少ない
出勤・欠勤の状況が給与に反映されるため、休まず働いた従業員は満額支給され、不公平感が生じにくい制度です。
人件費のコントロール
欠勤分を給与から差し引けるため、完全月給制と比べて人件費を抑えやすく、企業のコスト管理がしやすいです。
社労士 福田残業をすれば給与が上乗せになるのは日給月給制の大きなメリットですね。一方で、就業規則で明確にルールを決めていないと、後でトラブルになる可能性もあります。
日給月給制のデメリット
つぎに日給月給制のデメリットも解説していきます。
- 欠勤時の減給
- 残業抑制の恐れ
- 従業員負担の可能性
日給月給制は、欠勤時の減給や残業制限による収入調整、無理な出勤を招くリスクがあるため、制度設計には従業員への影響を十分に考慮する必要があります。
欠勤時の減給
欠勤すれば欠勤分が必ず控除されるため、欠勤日数が多い月は給与が大幅に減少します。
例えば急病や家庭の事情でも給与が減る可能性があるので、必要に応じて有給休暇の取得などでカバーする運用が重要です。
残業抑制の恐れ
日給月給制では残業をすれば割増賃金が必要になるため、企業は残業時間をあらかじめ少なく設定する場合があります。
その結果、長時間労働が抑制されるメリットもありますが、従業員によっては残業したくても制限されると感じることがあります。
従業員負担の可能性
給与が欠勤分減額されることを嫌って、体調不良でも無理に出勤してしまう従業員が出る恐れがあります。
本来休むべき日でも出勤してしまうと健康悪化やストレス増大につながるので、制度運用時は従業員への配慮も必要です。
日給月給制の給与計算方法
日給月給制の基本的な計算は下記のようになります
- 月額計算
- 控除方法
月額計算
「給与月額 = 日給 × その月の労働日数」で求めます。ただし実務上はあらかじめ月額給を決めておき、欠勤などがあればその分を減額する運用が一般的です。
控除方法
モデル就業規則では、給与控除の計算方法が示されています。
例えば月給制の場合、「給与控除額 = 月額給与 ÷ 1か月平均所定労働時間 × 欠勤時間数」となります。日給月給制の場合は日給ベースで同様に計算します。
欠勤・遅刻・早退の場合
実際の控除例(厚生労働省モデル就業規則より)では、月給額30万円・職務手当3万円、所定労働時間160時間で月に4日欠勤した例で、欠勤控除額は66,000円となります。
早退・遅刻の場合も同様の計算式(月額 ÷ 所定労働時間 × 遅刻・早退時間)で控除します。
日給月給制は正社員にも採用されている
日給月給制はアルバイトだけでなく、正社員の給与形態としても導入例があります。その理由としては主に以下が挙げられます。
- 出勤抑制効果
- モチベーション向上
遅刻や欠勤を抑制できる
欠勤・遅刻をすると給与が減る仕組みは、従業員の勤怠遵守を促します。実際、遅刻・欠勤を減らす効果が期待でき、職場の規律維持に繋がります。
モチベーション向上
逆に、休まずに出勤した従業員には満額が支給されるので、「働いた分だけ評価される」との実感が得られます。出勤状況が給与に反映されるため、公平感が高くなり、モチベーション維持にも役立ちます。
日給月給制導入時の注意点
日給月給制を採用する際は、労務管理上の注意点を確認しておきましょう。
- 労働条件の不利益変更に注意
- 規則・契約での明文化
- 従業員への説明
労働条件の不利益変更に注意
従来の給与体系(完全月給制など)から日給月給制に変更する場合、従業員にとって不利益になるので事前説明・同意が必要です。就業規則や労働契約書を変更する場合は労働局への届出も忘れずに。
規則・契約での明文化
日給月給制の具体的な運用ルール(遅刻・欠勤の取り扱い方法など)は就業規則や労働契約で明確に定めておく必要があります。特に控除計算の方法や基準日は明確にしておきましょう。
従業員への説明
制度導入時には社員に理解・納得してもらう必要があります。不利益変更とならないよう、説明会や書面交付で透明性を確保し、疑問点には丁寧に答えましょう。
よくある質問
雇用契約前に日給月給制を正しく理解しておこう!
日給月給制は「月額固定給-欠勤分」という特徴があり、働いた分だけ給与に結びつく制度です。休む日が増えると給与が減るため注意が必要ですが、その分出勤促進や公平感の向上などのメリットもあります。制度導入時には就業規則の整備や社員への説明をしっかり行い、労務リスクを減らしましょう。
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