店長には残業代を支払わないって、それホントに大丈夫??

こんにちは!
埼玉県新座市の助成金に強い「福田社会保険労務士事務所」代表の福田です!
新座市、朝霞市、志木市、和光市の中小企業様の顧問先企業様を中心に、労務相談や給与計算、経営相談まで幅広くサポートさせていただいております。
本日のテーマは、「管理職の残業代」についてお話させていただきます。

確かうちの会社も課長以上の
管理職は残業代が出ないって
聞きましたよ?
それが普通なんじゃ
ないんですか?

そういった会社様は非常に
多いのですが、管理職だからと
いって、一律に残業代を
支払わなくて良いという訳では
ないのです!
管理職であるというだけで「残業代が不要である」と思われている方にお会いすることがありますが、「課長」や「店長」といった肩書を与えれば、全て管理職としての扱いをしても良いというわけではありません。
こちらのようなケースがよくあるパターンです。

社長!
このAさんだけが毎月残業代が
発生していませんが、
なぜでしょうか?

ああー、A君はねぇ
工場長だから残業代が
発生しないんですよ。

社長、ちなみに工場長の
役職手当はどのようになって
いますか?賃金台帳を
拝見したところ、Bさんや
Cさんとあまり給与が
変わらないようですが・・・

工場長になると、役職手当が
月1万円付くことになって
ますよ!
これは非常にマズイ状況であることが、お分かりいただけますでしょうか?
月1万円の役職手当は、残業代を不要とするにはあまりにも少額です。
以前、某有名ハンバーガーチェーンで「名ばかり管理職」という問題が発生しました。
この問題は特定の企業だけに起こっている問題ではなく、実は多くの会社で起こりえる問題なのです。
そもそも管理職というのはどのような定義なのでしょうか?
労働基準法の条文にはこのように記載されています。
「労働条件の決定その他の労務管理について経営者と一体的な立場にある者」
確かにこの条文に当てはまっていれば、残業代を支払っていなくても問題ありません。
しかし、正しくこの条文を理解して、管理職の定義をされている会社が、実は少ないのです。
では、どのようなところがポイントになってくるのでしょうか?
行政の通達を見ると、以下の3つが要件となります。
① 経営者と一体的な立場にあること
(相応の職務内容であり、権限や責任がある)
② 労働時間に関して自己の裁量があること
(厳格な労働時間規制を受けていない)
③ 職務の重要性にふさわしい処遇を受けていること
(一般的な従業員と比べて、相応の給与および賞与等が支払われている)
最初の製造業の例における工場長Aさんの場合、工場長という肩書はあるものの、給料が他の従業員とあまり変わっていませんでした。
これでは管理職としての待遇がされているとは言えません。
また、給与面以外でよくある事例としては、管理職の肩書はあるものの、業務や人事に関する決定権が全くなく、そのまた上司からの指示を受けて部下に指示しているだけといったパターンも見受けられます。

うちの会社が問題なのは、
理解しました。
先生!早急に改善を
お願いします!

大きな問題が起きる前に
気づいていただけて
良かったです!
早急に改善措置をして
いきましょう!
こういった「名ばかり管理職」の人が、未払い残業代の支払いを訴えたら…
どうしても未払い残業代のお話が多くなってしまいますが、それぐらい多くの企業で内在している問題なのです。
急いで会社の状況を見直しましょう!!

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